フロントエンドエンジニアとしてのキャリアを目指す上で、まず知っておきたいのが「フロントエンドエンジニアに必要なスキルセット」です。
WebサイトやWebアプリの開発においてさまざまなスキルが求められますが、今回はフロントエンドエンジニアとして最低限身につけるべきスキルセットを詳しく解説していきます。
最低限必要なプログラミング言語3選
HTML
HTMLとは「ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(Hyper Text Markup Language)」の略で、正確にはプログラミング言語ではなくマークアップ言語と呼ばれています。
Webサイトを作るための基本的な言語で、HTMLを使うことでページ内のタイトル、段落、リンク、画像などの構成をコンピュータに理解させ正しく表示させることができます。
フロントエンドエンジニアとして最低限必要なHTMLのスキルは、基本的なHTMLタグ(見出し、段落、リンク、画像、リストなど)の理解と正しい文書構造の作成です。
さらにフォームの作成や属性の使い方、メタ情報設定、SEOを意識した見出しやリンク構造、使いやすさや操作性に配慮したWebページの作成も求められます。
またHTMLの最新の基準であるHTML Living Standardに準じたコーディングが求められます。
この基準はWeb技術の進化に合わせて常に更新されており、最新のルールに従うことでモダンなブラウザやデバイスに対応したWebページが作成できます。
使えるタグや機能が追加・削除されることもあるため、常に最新の情報をキャッチし適切に反映させることを心がけてください。
CSS
CSSとは「カスケーディング・スタイル・シート(Cascading Style Sheet)」の略で、正確にはプログラミング言語ではなくスタイルシート言語と呼ばれています。
Webサイトのデザインやレイアウトを定義するための言語で、CSSをつかうことで文字の大きさやフォント、色、余白、レイアウトなどを設定します。
HTMLがWebサイトの構造を作る「骨組み」だとすれば、CSSはその骨組みに「デザイン」を施しページ、より見やすく仕上げる役割を持っています。
フロントエンドエンジニアとして最低限必要なCSSのスキルは、基本的なセレクタの使い方、ボックスモデル、FlexboxやGridを使ったレイアウト技術、色やフォントの指定方法、そしてメディアクエリを使ったレスポンシブデザイン対応です。
CSSの優先順位と継承の仕組みを理解し、要素の表示・非表示やトランジション、アニメーションを使って動きをつけることも重要です。
またCSSの最新の基準であるCSS Living Standardに準じたコーディングが求められます。
この基準はWeb技術の進化に合わせて常に更新されており、最新のルールに従うことでモダンなブラウザやデバイスに対応したWebページが作成できます。
使えるプロパティや機能が追加・削除されることもあるため、常に最新の情報をキャッチし適切に反映させることを心がけてください。
JavaScirpt
JavaScirptはフロントエンドエンジニアにとって最も重要なスキルです。
JavaScriptはWebサイトに動きや機能を追加し、ボタンのクリックで内容を変更したり画像のアニメーションなど動的な要素を実現するプログラミング言語です。
フロントエンドエンジニアとして最低限必要なJavaScriptのスキルは、基本的な文法と構造の理解が重要です。
変数(var、let、const)、データ型(文字列、数値、配列、オブジェクトなど)、条件分岐(if、elseなど)、ループ(for、whileなど)、関数など、他のプログラミング言語でも使用される基本を理解します。
次にHTMLやCSSと連携するためのDOM操作(document.getElementById、querySelectorなど)、ボタンのクリックなどで動作を実行するイベントハンドリング(click、load、changeなど)、そして非同期処理を使ったAPI通信(fetch、async/awaitなど)の理解も必須です。
またJavaScriptの最新の基準であるECMAScript 2023(ES14)に準じたコーディングが求められます。
この基準はWeb技術の進化に合わせて常に更新されており、最新のルールに従うことでモダンなブラウザやデバイスに対応したスクリプトを作成できます。
使える構文や機能が追加・削除されることもあるため、常に最新の情報をキャッチし、適切に反映させることを心がけてください。
余談ですが、Javaというプログラミング言語がありますが、名前が似ているだけで技術的には全く異なる言語です。
もし技術書などをご購入される際はお気をつけください!
最低限必要なツール3選
Git
バージョン管理ツールであるGitはソースコードの変更履歴を管理し、チームでの共同作業を効率化するための必須ツールです。
プロジェクト進行中にどのファイルがどのように変更されたかを追跡し間違った変更を元に戻すことも簡単にできます。
個人では利便性を感じにくいかもしれませんが、チームプロジェクトでは不可欠です。
フロントエンドエンジニアとして最低限知っておきたいGitの操作は、リポジトリ管理、コミット、ステージング、ブランチ、マージ、プル/プッシュ、クローンなどです。
これらを理解すればプロジェクトに参加し、スムーズにソース管理を行うことができます。
Gitの操作にはコマンドを使うCUIと、クリック操作で簡単に使えるGUIの2つの方法があります。
Gitは理解するのが難しいため、最初はGUI(SourceTreeなど)でGitの使い方を覚え、慣れてきたらどういったコマンドを叩いているかCUIで理解を深めるのがおすすめです。
またGitHubやGitLabなど、コードをオンラインで共有・管理できるプラットフォームがあり企業ではだいたいどちらかが使われています。
特にGitHubは無料で登録できるため、個人プロジェクトで試してみることをおすすめします。
デベロッパーツール
ブラウザのデベロッパーツールはWebページのコードや動作を確認・修正するための必須ツールです。
ブラウザ上で右クリックし「検証」を選択すると、Webサイトの状態が表示されます。
フロントエンドエンジニアとして最低限知っておきたいデベロッパーツールの操作は、ElementsタブでHTMLやCSSの確認・編集、ConsoleタブでJavaScriptエラーの確認、Networkタブでリソースの読み込み状況確認、SourcesタブでJavaScriptのデバッグ、ApplicationタブでCookieやローカルストレージの管理です。
これらを使えば効率的なWeb開発が可能になります。
デザインツール
デザインツールはWebサイトやアプリのUI/UXデザインを作成するためのツールです。
フロントエンドエンジニアとしては、デザイナーが作成したデザインを確認し、実装時に正確に再現するためにこれらのツールを活用します。
ツール内で色、フォントサイズ、余白などのスタイル情報を確認し、デザイン通りのWebサイトを寸分違わず制作するスキルが必須です。
主流のツールには、Figma、Adobe XD、Sketchがあり、どれも直感的にデザイン作成・共有が可能です。
特にFigmaはクラウドベースでチームでの共同作業に優れています。
企業によっては昔ながらのPhotoshopを使用する場合もあるため、基本的な使い方に慣れておくと安心です。
まとめ
フロントエンドエンジニアとして最低限身につけるべきスキルセットについて解説してきました。
HTMLはWebサイトの構造を作り、CSSはデザインやレイアウトを整え、JavaScriptはWebサイトに動的な要素を加えます。
それぞれ最新の基準に基づいたコーディングが求められるので、常に最新の情報をキャッチアップしながら学ぶことを心がけましょう。
特にフロントエンドエンジニアにとってJavaScriptは最も重要なスキルであり、その習得度合いによって年収にも大きく影響します。
プログラミング言語の中でJavaScriptは比較的習得しやすい言語になるので焦らず着実に学んでいきましょう!
Gitなどのバージョン管理ツールやデベロッパーツール、Figmaなどのデザインツールも欠かせません。
これらのツールは使いながら覚えていくのが一番効果的です。
また今回紹介したスキルセットはあくまで「最低限」です。
これらを身につければフロントエンドエンジニアとしての第一歩は踏み出せますが、転職先によっては追加のスキルが求められることもあります。
その場合は新しい知識を積極的に学び、理想のキャリアを築いていきましょう!